病院で人工授精による産み分けの流れと成功確率

本来であれば自然妊娠をするのですが、何らかの理由でセックスができなかったり、妊娠ができない不妊症などの場合、人工授精ということが考えられます。

不妊治療で使われるこの人工授精は、生み分けにも有効です。

人工授精は、

  1. 排卵日を特定
  2. 男性の精子を採取
  3. 精子を子宮内に注入

といった過程を踏みます。

より受精しやすくなるように精子を洗浄し、運動能力の高いX精子とY精子を集めることができるのです。

さらに生み分けの確率を高めるためにX精子とY精子を分離して、生み分けをのぞむ精子を使うことができます。この分離法には、液体を使う方法や電気を使う方法、フィルターを通す方法などがあり、これらの方法を使えば希望する性の精子だけを集
めて子宮内に注入することができます。

ただし現在のところ、X精子の分離は90%で行えるといわれていますが、Y精子に関して80%程度とやや確率が下がってしまいます。そのため、人工授精は女の子を生み分けるうえでもっとも確率の高い生み分け手段ともいわれています。

精子の分離方法

パーコール法

ショ糖という糖分の-種であるパーコールという液体を使う方法。

濃度の異なるパーコールを何種類もつくり、層を重ねてその上に精子を置きます。その状態で遠心分離機にかけ10~15分ほどたつと層の-番下にX精子が集まります。

パーコールは無害といわれていますが、安全面を考えて、分離した精子をさらに洗浄しパーコールを除去して人工授精を行います。

電気泳動法

電気を利用して精子を分離させる方法。電気泳動槽の中に精子を入れて電気を30分ほど流し続けると、槽の内部にある陰極にはY精子が集まり、暘極にはX精子が付着します。

この精子を取り出して人工授精を行うという方法ですが、コストと倫理的な問題があり実用化はされていません。

エリクソン法

エリクソン医師らが発明した方法。

排卵誘発にクロミフェンクエン酸というタンパク質の液を加えて遠心分離機にかけ、X精子とY精子を分離させます。精液は洗浄し遠心分離機にかけられて健康な精子だけが使われます。

パーコール法よりも確率の高い生み分け法といわれています。

人工授精の流れ

1.排卵日の特定

まず基礎体温表をチェック。ホルモン検査や超音波診断なども行いながら排卵日を特定します。

排卵日がわかったら排卵日前日または当日に人工授精を行います。

2.前日はリラックス

翌日に人工授精が控えていると緊張して眠れないことも。そんなときは医師に相談後、精神安定剤や少量のお酒を飲んでも大丈夫です。

3.精子を採取

男性は5日間~1週間禁欲したあと、人工授精当日に精子を採取。病院でとることもできれば、自宅でとることもできます。

4.女性は病院内で待機

採取した精子は濃縮した後、遠心分離機に。この間、女性は病院内で待機しています。

5.人工授精スタート

内診台の上に横になり膣に注入器を挿入します。1分程度で注入が終わり、痛みはほとんどありません。

6.人工授精終了

帰宅できますが、病院によっては30分ほど休んでいくよう指示されることがあります。

人工授精の妊娠率

成功率を取るか予算を考慮するか

生み分け成功率が高いといわれている人工授精ですが、妊娠の成功率は5〜10%と高くありません。人工授精1回目で成功する人もいますが、ほとんどの人が6回以内で妊娠するようです。ただ、なかには⑱回人工授精を行ってようやく妊娠したというケースもあります。

このデータは不妊治療の患者さんのものであり、不妊症ではない女性はもう少し成功率が上がるかもしれませんが、人工授精=100%妊娠という考えは持たないでください。

人工授精を行うなら、何度かチャレンジするつもりでいましよう。

なかなか妊娠しない場合は、ある程度費用の問題も考えておかなければいけません。

人工授精の費用は病院によって異なりますが、1回1〜3万円が相場といわれています。不妊治療などで行う体外受精や顕微授精など他の治療費に比べれば安いといえますが、人工授精の回数が増えればお金もかかるのです。

人工授精に成功すれば90〜95%の確率で生み分けはできるので、成功率をとるか費用をとるかをよく考えた上で治療方針を決定した方がよいでしょう。

人工授精の費用

人工授精は体外受精や顕微授精などと比べると治療費が安いといわれています。
しかし、病院によって保険が適用されるかどうかが異なるため、治療費は統一ではありません。そのため、人工授精をはじめるときめたら保険適用の有無を病院に確認することも大切です。